転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
 顔を見合わせた異母兄弟に向かって、ヤエコは両手を大きく広げる。

「じゃあとにかく話をしてごらん」

「ヤエコ様、こいつらの話は信用しない方がよろしいのでは」

 険しい顔をしたタイシンがヤエコを諭そうとするけれど、ヤエコは軽く肩をすくめただけだった。

「そっちの若いのはともかくとして、アデリナの息子の言うことには耳を傾けてもいいんじゃないか、タイシン。お前だってそう思うだろ?」

 ヤエコに言われては、タイシンもそれ以上は反論できないようだ。黙ってしまった彼は、そのままいつもの位置へと下がる。

(……だけど、タイシン……まだ、何か考えてる?)

 彼の表情に、何か不気味なものを感じてしまって、ヴィオラは慌てて視線を巡らせた。だが今は、そこに気を取られている場合ではない。

「――たしかに、俺と母上はミナホ国と国交を開くのは反対だ。少なくとも今は、な。母上の故郷であるワナム王国との交易が不利なものになっては困るし、現在、ミナホ国の王権は安定しているとはいいがたい」

「言いたい放題だね、若いの」

 テーブルに肘をつき、頬に手を当てたヤエコは、半眼でセドリックを見やる。

「嘘は言っていないだろう。だが、俺達がやったのは、ミナホ国の商人の持ち込んだ品を流通させないよう、市場の者に金を握らせる程度のことだ」

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