転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「では、今後の調査の方針を。まずは、ワナム王家の紋章入りのナイフを持っていた男の身元だ。セドリック、このナイフは何に使っていたのだ?」

「それは、母上の持ち物だ。そのナイフは、サンルームに置いてあった。ペーパーナイフとして使っていたんだ」

 セドリックの話によれば、ジャニス妃も冬の間はサンルームで過ごすことが多いらしい。客をもてなすためだけではなく、昼間、暖かく過ごす場所としても使っていたのだとか。

 自室に置いてあるペーパーナイフの代わりに、独身時代から使っていた紋章入りのナイフをサンルームに持ち込み、そこで封筒の封を切るのも珍しくなかったそうだ。

 寝室や個人の居間と違い、サンルームならば、入るのはさほど難しくもないはずだ。ヴィオラも、招かれた時にサンルームの前を通り過ぎたのを思い出した。

「それより、そのナイフを持った男は襲撃されたんだろ? そっちの方が重要じゃないか」

 セドリックは襲撃の現場にはいなかった。だから、そちらの話を聞きたいようだ。話題をナイフから、襲撃へと変化させた。

「襲撃犯のいた場所を探索させたが、何も残されていなかったと報告を受けている――おそらく、口封じされたのだろう」

「……なんのために? 命じた人が誰かわかると困るからですか?」

 ヴィオラが思わず口を挟むと、タケルはセドリックをにらみつけた。

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