転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「言っとくけどな! 俺は、まだお前を信用したわけじゃ――」

「お前は黙ってな」

 口をはさみかけたタケルの頭を、ヤエコがぴしゃりと叩く。どうもヤエコはぽかぽかと遠慮なくタケルの頭を叩く傾向にあるようだ。

「あのぅ……ミナホ国との関係強化を嫌がってる人って、まだいますよね?」

 こわごわとヴィオラが口を挟むと、ヤエコもタケルもうなずいた。

「ラファエラ妃もそうだ――あとは、帝国内の貴族にも何人かいる。そうだよな、セドリック」

 貴族の反対を見越しているから、皇帝もリヒャルトに今回の件を任せることにしたらしい。リヒャルトが全てを乗り切ることができればよし、そうでなければ――ということのようだ。

「俺を含めて、反対派もそれなりの数はいる。あとで書類にまとめて兄上に渡す」

「そうしてくれ。手がかりは男の死体と、このナイフ。それから――」

 リヒャルトとヤエコ達が捜査の手順を進めていくのを、ヴィオラは黙って聞いていた。頭の中では、どうしたらいいのかと目まぐるしく考えながら。

 当面の方針が決まったところで、リヒャルトとヴィオラは満月宮へ、それから、セドリックも自分の宮へと戻ることにした。

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