転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「リヒャルトの言う通り、動きがあるんだろうな」

「リヒャルト様を信用しましょうよ」

 タケルとヴィオラが並んで歩いているのは、太陽宮に出入りしている役人達から見れば少し不思議な光景だったろうけれど、新月宮の方に歩いていくのを見て納得したようだ。

 ヴィオラとタケルの存在は、この宮に出入りするような者達ならばある程度は知っている。

「俺も母上も留守にしている必要があるってことなんだろうな……」

「……だと思うんだけど」

 タケルが一度満月宮を訪れたのは、表向きは皇妃とヤエコが服を仕立ててる間、ヴィオラと遊ぶ約束をしていたということになっているからだ。

 誰かに聞かれることがあれば、「ミナホ国の家具をヴィオラにプレゼントすることにしたので選びに行く」という理由をつけることになっていた。

 ヴィオラはリヒャルトと婚約してはいるが、ヤエコがそちらを解消し、タケルと結婚するようにと画策しているのは公然の秘密なので、タケルがヴィオラに贈り物をするのも不自然な話ではない。

「あいつら、なぜここにいるんだ?」

 太陽宮から新月宮に入ろうとしたところで、タケルがそうつぶやき、二人ともその場で足をとめた。なぜか、皇宮騎士団が、新月宮の前に並んでいる。

< 188 / 215 >

この作品をシェア

pagetop