転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「……タイシン・ムライ。そなたを連行する」

「なんで?」

 皇宮騎士団の騎士がそう口にするのを聞いて、ヴィオラの口から間の抜けた声が漏れた。なぜ、タイシンが連行されねばならないのだ。

「先生! 何があったんだ!」

「タケル様、来てはなりません」

 集まっている皇宮騎士団員の前で、タイシンは落ち着き払った様子だった。タケルの方が慌てている。

「あの、タイシンが何かしたんですか?」

 顔見知りの騎士がいるのに気づき、ヴィオラはそちらへ駆け寄った。

 ミナホ国の食材の使い方を教えに何度か出向いたし、時々訓練を見学させてもらっているため、騎士達の中には顔見知りの者もいるのだ。

「我が国の機密を盗もうとした、と聞いております」

「嘘でしょ?」

「ラファエラ妃から、情報提供があったのですよ。なんでも、下働きの娘を抱き込んでいたのだとか」

「下働きの娘を抱き込んだって?」

「宝石のついた髪飾りで買収したそうです。表向きは地味な髪飾りなのですが、裏返すと上質の宝石がはめ込まれている」

(……あの髪飾りだ)

 表から見れば木製、裏返せば、そこには立派な宝石がはめ込まれた髪飾り。ただの木製の髪飾りならばともかく、宝石付きとなると下働きの使用人が手の届く値段のものではない。

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