転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
 ヴィオラも、ヤエコの前ではついぽろぽろと前世のことについて語ってしまったから、怪しまれても当然ではあるけれど。

「……稀人?」

「ヴィオラは、妙に我が国のことに詳しいからね。その可能性もあるんじゃないかと思っているよ」

 眉間に皺を寄せていたリヒャルトは、ヤエコのこの場にますます眉間の皺を深くした。

「……だから、ヴィオラを連れて行きたがっていたのか」

 初代国王が“稀人”であったことは、リヒャルトも話に聞いて知っている。だが、ヴィオラがそうではないかと思われているということまでは知らなかったようだ。

「その件については、あとで詳しく聞かせてほしい……ヤエコ殿。それで、タイシンについてはどうするつもりだ?」

「一度、話を聞くしかないだろうね。切ってもいいんだが、切るには惜しい。皇帝の許可が出るなら、ミナホ国への送還ですませたいんだが――さて」

 切る? 切るというのは、解雇するという意味での首を切るだろうか。そう思いたいのだが、ヤエコの声音からは、本当に切るという意味にも思える。

 ヴィオラは目を瞬かせたけれど、ヤエコはそれには気づかないふりをしているようだった。



< 196 / 215 >

この作品をシェア

pagetop