転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「ヤエコ様!」

「――どうした? タケルの嫁になる気になったかね?」

 そう言って笑う彼女は、いつもの表情を取り戻そうとしているようだった。ヴィオラを安心させようとしているのかもしれない。

「そのことなんですけど。ヤエコ様のお部屋でお話をさせてください――私からも、お話をしておかないといけないことがあるんです」

 ヤエコにだけは、本当のことを話しておこう。それが、今のヴィオラがヤエコにできる精一杯の誠意だった。

「タケル様に、伝えるかどうかは――ヤエコ様にお任せします。でも、私としては、言わないでほしい、とも思ってます」

 ヤエコの部屋は、いつかのようにミナホ国のものがたくさん置かれていた。富士山と思われる絵が飾られていたり、どことなく日本画の趣のある人物が飾られていたり。

 温室で育てられてた花をいけている一輪挿しは、竹製のものだ。少なくとも、オストヴァルト帝国には存在しない。

「稀人――とようやく認めてくれる気になったかい? それなら、君を我が国で保護しなくては。君の隠しているであろう知識は、きっと危険なものだから」

「ヤエコ様達は、交易のためだけではなく……稀人を保護するために動いてらしたんですね」

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