転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
 テーブルには、竹製の箸だけではなく、銀のナイフやフォークやスプーンも置かれていた。箸以外のカトラリーを用意してくれたのもその工夫だろう。

 まず皇帝が感心したのは、料理の盛り付けだった。

「なんとも美しい。冬に収穫される野菜は、鮮やかな色のものは少ないのに」

「収穫の時期に収穫したら、干したり、塩漬けにしたりして、保存しておくのだ」

 ヤエコの説明に、皇帝はふむふむとうなずく。

 乾杯の合図とともに出されたのは、酒――米から作った日本酒だった。ヴィオラは飲めないので、かわりにハーブで香りをつけた水が注がれる。

 酒は、切子のように繊細な模様の彫り込まれたグラスで出された。グラスの縁は青く染められていて、美しい。

 皇帝は酒を口に含むなり目を丸くした。どうやら気に入った様子で、残りを一息にあけてしまう。

「米から酒が作れる、と。わが国でも作れるか?」

「綺麗な水と、熟練した職人が必要だ。帝国の水も綺麗だが、水の質が我が国とは違うだろうし、職人を手配するのは難しいのではないかな」

「ワインを作るのには熟練した職人が必要だ。同じようなものだな」

 などと、皇帝とヤエコが会話している。

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