転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「オストヴァルト帝国でも米は食べると聞いている。これは、我が国初代国王のデンジロウが一番愛した料理――と伝えられている。カレーライスという」

 眉間に皺を寄せたままの皇帝に向かって、ヤエコが説明する。失礼を承知で、ヴィオラは二人の間に割って入った。

「身体にいいものがたくさん入っているんですよね? ヤエコ様」

「よく知っているな、ヴィオラ。食欲の落ちている夏場の暑い時期に食べるのもいいが、我が国では、主に新年を祝う料理として食べている」

 ヤエコの説明によれば、ミナホ国では香辛料はとても貴重なものなのだそうだ。特にカレーを作るためには、何種類もの香辛料を混ぜ合わせなければならない。そのため、祝いの席に用意されることが多いのだという。

「ヴィオラは、俺達でも知らないようなことをよく知っているんですよ、ヤエコ殿。おそらく、イローウェン王国に滞在していたミナホ国の商人から聞いた話を、きちんと覚えているのでしょう」

「こんなに幼いのに、よく学んでいるのだな」

 リヒャルトがそう説明してくれて、ヤエコはますます感心した様子だ。ヴィオラの隣にいるタケルも、ヤエコ以上に感心したようだ。

「私はいただいたことがなかったわ。あなたの国の文化って本当に私達のものとは異なっているわよね」

「私だってめったに食べられなかったんだぞ、アデリナ。それに、香辛料の調合が難しいんだ」
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