転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「ヴィオラ、来てくれたのか」

「ヤエコ様!」

 駆け寄ってきたヤエコの顔はすすで汚れていた。着物も同じように汚れていたから、消火活動の中心となって働いていたのかもしれない。

「タケル様も、お怪我はありませんか」

「お、おう……」

 ヤエコと一緒に来たタケルに問いかけると、タケルは恥ずかしそうに顔をそむける。

「炊き出しにまで手が回らなかったから、助かったよ」

「たまたま買い物に来ていたんです。皇妃様と、ヤエコ様の昼食会の料理を考えようと思って」

「それでは、偶然に感謝だな――とはいえ、どこで皆を休ませればよいだろう。船はちょうど国に帰してしまったところだ。船があればそこに収容できたのだが」

 ヤエコ達を残し、持ち帰る商品を山のように積んで、船は一度帰国したところだそうだ。

 今いる屋敷は全員宿泊させるには狭い、とヤエコが頭を抱える。

「急いで借りられる家を探すにしても、今夜は宿屋に泊まることになるだろうな――さて、どこにしようか」

「母上、俺はあちらで皆の様子を見てくる。どこに行くしても移動の準備はしておいた方がいいだろう」

 タケルはそんなヤエコを残し、食事が終わった者から焼け残った荷物をまとめさせたり、怪我人を運ぶ手はずを整えたりと、てきぱきと指示を出しているようだ。

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