転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「ヴィオラ様、私達も引き上げた方がよさそうです。後片付けは、騎士団の方々が引き受けてくださるそうですから」

 ニイファに声をかけられ、ヴィオラは振り返る。アラムはどうしたのかと思えば、すでに荷物をまとめ終えていた。

「よけいな仕事させてしまって、ごめんなさい」

「姫様、こういう時は謝らなくていいんだ。俺だって、困っている人を見捨てるほど薄情ではないんだからな」

 急きょ、余計な仕事をさせてしまったアラムではあるが、ヴィオラににかっと笑ってくれる。

 その表情にはほっとしたけれど、深刻な顔をして話し込んでいるヤエコとリヒャルトの方を見ながら、嫌な予感がするのを意識せずにはいられなかった。



 ◇ ◇ ◇



 なんとかミナホ人達の避難も完了し、彼らは、ヒュリオス宮、シエロン宮という星の名を与えられた建物二つに分かれて宿泊することになった。

 ヤエコやタケル、それから側近達は、借りている屋敷を離れ、要人の滞在する新月宮に身を落ち着けることになったそうだ。

(ヤエコ様達まで、なんで皇宮に来たのかしら……ミナホ国の人達が、こちらにいるからその方がいいのかもしれないけれど)

 各宮には、厨房や入浴施設など、生活に欠かせない設備はすべて整っている。

 食材や生活用品などは皇宮から支給されることになったので、焼け出された人達も安心だ。
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