転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ ~次期皇帝と婚約なんて聞いてません!~
「――君には言っておこう。どうやら、誰かが火をつけたらしくてね」

「え?」

 ――ということは、あれは事故ではなかったということか。

「自分達の家が燃えやすいことくらい、十分知っている。何百年もこの様式で暮らしてきたんだから、当然だろう? それなのに、火事は起きてしまった」

「でも、完全には防げないのでは……?」

 どれだけ注意したって、事故を完全に防ぐことはできない。

「もちろん、それもわかっている。だが、リヒャルト皇太子が教えてくれた。あの火事は、何者かによって、一斉に火を放たれたものだと。火の回りが異常に早かったのも、不自然な回り方をしたのも、発生元が複数ならわかる」

「なんで、そんなことを……」

 ヴィオラは言葉を失った。ミナホ国の人達の家が燃やされる理由がまったくわからない。黙り込んでしまったヴィオラに向けて、ヤエコはひらひらと手を振った。

「この国に、我々と国交を開くのが気に入らない者がいるのだろう。以前から、交易はしていたが、国ぐるみのお付き合いではなかったからな。我々は、この国の人達とは見た目も違うし、言葉も違う。文化がまったく違うから、理解しがたいことも多いだろう」

 たしかに、ミナホ国の人達は、こちらの国の人達とは見た目が違う。“咲綾”が暮らしていた日本の人達とも違うが、どちらかといえば、日本人に近いだろう。だからって、火をつけるなんて信じられない。

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