『またね。』
僕だって、鈴のそばにいたい…
その想いは誰にも負けないから…
「…よ、かった…」
「ん?」
「…わた、し…ひか、るが…ドナー…かと思って…」
…
…ごめん。
本当にごめんね、鈴…
約束ひとつ守れない男で…
「…」
「ねえ…ひか、る…」
「…」
「わ、たしのめ…見て…約束…して…」
「…」
「わ、たしの傍にずっと…居るって…」
…ごめん。
鈴、ごめん。
そばにいたいのはやまやまなのに…
「…うん。そばにいる。」
…鈴がもう一度目覚める時は。
手術までならずっとでもそばにいるよ。
「…輝…」
「…」
「…だい、好き…」
フッと意識を無くした鈴。
…これは、今すぐ手術か?
「…輝くん…」
「…はい。」
「…いつ手術になってもおかしくない。
彼女が目覚めなかったら、キミも覚悟してくれ。」
…覚悟なんて、とっくの前に出来てる。
母さんのことだけが気掛かりだっただけだから…
「…その時、また連絡くださいっ…」
僕はもう少し、鈴のそばにいたい…
鈴がもう一度目を開けるまでは…
「…一応、手術の日は月末にしてある。」
「分かりました。」
鈴の手をそっと離す。
…ごめんね、鈴。
鈴のお母さんやお父さんから連絡が来たらまた来るね。
僕は看護師さん達に一礼して病室から出る。
…月末、か…
それまで何が出来るだろう…
家に帰ってぼんやり考える。
「…鈴、早く目を覚まさないかな…」
…僕の中でキミは明るく輝く太陽だから。
僕やみんなのこと照らしてくれないと前に進めないよ。
「…会いたいな…」
大好きな、あの笑顔に。
早く会いたい。
僕は鈴に何もしてやれない。
こんな僕を許して欲しい。
「…ごめんね、鈴…」
なんで、僕なんかを好きになってくれたのかな…
僕は不思議で仕方ないよ…
だって誰もが振り向く愛らしさ。
頭も良くて笑顔が素敵。
きっと心臓が治ったらはしゃぎ回るんだろうな…
運動神経も良さそうだ。
僕は早く君に会いたい。
【卯月輝side END】
【佐倉鈴side】
ずっと暗闇にいた。
私しかいない世界。
ずっと暗くて怖くて…
私は膝を抱えて顔を伏せていた。
『鈴』
…これは輝の声?
『おはよう鈴。』
…輝なの?
『手術終わったよ。約束通りそばにいるよ。』
…輝だ…
夢じゃないんだ…
病室で輝が私を見て微笑んでくれている。
『輝…』
『気分はどう?』
『幸せ…』
本当に輝がいてくれて…
『遊園地に行こうか。』
輝が私の手を取って歩き出す。
その想いは誰にも負けないから…
「…よ、かった…」
「ん?」
「…わた、し…ひか、るが…ドナー…かと思って…」
…
…ごめん。
本当にごめんね、鈴…
約束ひとつ守れない男で…
「…」
「ねえ…ひか、る…」
「…」
「わ、たしのめ…見て…約束…して…」
「…」
「わ、たしの傍にずっと…居るって…」
…ごめん。
鈴、ごめん。
そばにいたいのはやまやまなのに…
「…うん。そばにいる。」
…鈴がもう一度目覚める時は。
手術までならずっとでもそばにいるよ。
「…輝…」
「…」
「…だい、好き…」
フッと意識を無くした鈴。
…これは、今すぐ手術か?
「…輝くん…」
「…はい。」
「…いつ手術になってもおかしくない。
彼女が目覚めなかったら、キミも覚悟してくれ。」
…覚悟なんて、とっくの前に出来てる。
母さんのことだけが気掛かりだっただけだから…
「…その時、また連絡くださいっ…」
僕はもう少し、鈴のそばにいたい…
鈴がもう一度目を開けるまでは…
「…一応、手術の日は月末にしてある。」
「分かりました。」
鈴の手をそっと離す。
…ごめんね、鈴。
鈴のお母さんやお父さんから連絡が来たらまた来るね。
僕は看護師さん達に一礼して病室から出る。
…月末、か…
それまで何が出来るだろう…
家に帰ってぼんやり考える。
「…鈴、早く目を覚まさないかな…」
…僕の中でキミは明るく輝く太陽だから。
僕やみんなのこと照らしてくれないと前に進めないよ。
「…会いたいな…」
大好きな、あの笑顔に。
早く会いたい。
僕は鈴に何もしてやれない。
こんな僕を許して欲しい。
「…ごめんね、鈴…」
なんで、僕なんかを好きになってくれたのかな…
僕は不思議で仕方ないよ…
だって誰もが振り向く愛らしさ。
頭も良くて笑顔が素敵。
きっと心臓が治ったらはしゃぎ回るんだろうな…
運動神経も良さそうだ。
僕は早く君に会いたい。
【卯月輝side END】
【佐倉鈴side】
ずっと暗闇にいた。
私しかいない世界。
ずっと暗くて怖くて…
私は膝を抱えて顔を伏せていた。
『鈴』
…これは輝の声?
『おはよう鈴。』
…輝なの?
『手術終わったよ。約束通りそばにいるよ。』
…輝だ…
夢じゃないんだ…
病室で輝が私を見て微笑んでくれている。
『輝…』
『気分はどう?』
『幸せ…』
本当に輝がいてくれて…
『遊園地に行こうか。』
輝が私の手を取って歩き出す。