キミの溺愛は甘すぎる。




「鈴華の言う通りだよ。
洗脳だなんて、そんなことできるわけないから」


優翔は焦る様子もなく、ただ冷静に言葉を返しているけれど。

呆れたようにため息を吐くのは拓哉さん。


振り向いて優翔を見ている私の頭を、そっと優しく撫でつつ呆れた様子である。


「あまり鈴華を思うがままに扱うのは良くないよ。
鈴華にだって自分の考えがあるんだから」

「わかってる。
鈴華の気持ちは尊重してるつもり」


満面の笑み。
優翔は余裕たっぷりのようで。

反対にまたため息を吐く拓哉さん。
お父さんに至っては軽く舌打ちしていた。


「優翔、あんま調子乗るんじゃねぇぞ。
もし俺のかわいい鈴華を泣かせるような…」

「お父さんはひと言余計だから喋らないで!」


何が“かわいい”だ。
聞いているこっちが恥ずかしい。

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