キミの溺愛は甘すぎる。
それにしても───
「……似合わないなぁ」
和服姿の優翔は大人びており、とてもかっこいい。
高校生には見えない。
まだ一年だというのに、こんなにも先へと行ってしまう優翔。
今だって勉強しているけれど似合わないと思ってしまうほどだ。
「鈴華?どうしたの、いきなり」
「あ、いや……和服着たら大人びた雰囲気になるなって」
普段から穏やかで優しくて、大人っぽいところもあるけれど。
和服を着たらそれがさらに強調される。
それに比べて私はただのTシャツにズボンという、完全なるラフなスタイルである。
子供じみていることだろう。
何回か和服や着物を着たことがあるけれど、あの締め付けられる感じがあまり好きではない。
それにうまく着こなせない私は、和服や着物を敬遠している。