キミの溺愛は甘すぎる。
少し怒りながら自分の部屋へと向かう。
だって悔しい。
向こうは私に対してドキドキひとつしてないだろう。
それなのにどうしてキスをしたがるのだろうか。
あの様子だと好きだから、ではなさそうだ。
私の反応を見て楽しみたいのだろう。
“かわいいから”と適当なことを言って、照れる私を見たいのだ。
それがわかっているのに照れてしまう私も私で。
本当に悔しい。
こんなにも優翔が好きな私。
好きになったら負けだというのはまさにこのことである。
ため息を吐きながらも部屋着に着替え、優翔の部屋へと戻る。
すると意外なことに、優翔はテーブルに向かってまじめに勉強していた。