キミの溺愛は甘すぎる。



「だらしない顔は鈴華に見られたくないの。どうしてそれをわかってくれないかな、かわいい。無理かわいい、何さっきの反応?」

「ゆ、優翔…?」
「じっとしてて。学校まで抱きしめる刑だから」


怒ってるわけではなさそうだったけれど、いつもと少し様子が違う優翔。

なんだか調子を狂わせているようだ。


「じゃあ鈴華が食べに行きたいところ行こう」
「ほ、本当…!?決めていいの?」

「うん、いいよ。だから抱きしめる刑」
「わかった…!」


私が決めていいのなら、ご飯だけで済ませたくない。
他にもショッピングとかしたいなと思う。

そうなれば正真正銘のデートである。


「ふふっ、楽しみだなぁ」
「あんまりかわいいことばかりしないでね」

今日ばかりは素直になろうと心に決めたけれど、優翔はなぜか不満気で、さらに抱きしめる力を強めてきた。

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