キミの溺愛は甘すぎる。






今日は一日中、上機嫌だった。

みっちゃんにも『嬉しそうね』と言われるぐらい、浮かれていたらしく。


「じゃあ準備室によろしくな」

そのせいで4限目の現代文の先生に、集めたノートを準備室に持っていくという雑用を押し付けられてしまった。


もちろん文句なんて言わない。
あと2限分の授業を乗り越えたら良いだけなのだから。


「鈴華、俺も持っていくよ」

教卓に置かれたクラス分のノートを手に取ろうとした時、優翔が声をかけてくれたけれど。


「ううん、大丈夫!早く優翔とどこに行くか、考えながら準備室行ってくるね…!」

思わず溢れる本音。


いつもは冷たく返してしまうけれど、今日はそれがない。

それほどに気分がいいのである。

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