キミの溺愛は甘すぎる。
「鈴華、俺も行く」
背後から優翔に話しかけられた。
パッと振り向けば、ノートを全て取られてしまう。
「え、なんで…」
「鈴華は俺の隣を歩いてね」
「いいから、私が持っていく」
「ふたりで行くんだよ」
何やら上機嫌の優翔。
なぜ“ふたり”なのだ。
優翔が優しさで提出しに行ってくれるのであれば、私はいらないはずだというのに。
「じゃあ私はいらないんじゃ…」
「俺たちの存在って学校で有名らしいよ」
「は?」
「だから余計にふたりでいることは大事だよね」
含みのある笑いに、何やら企みがあるのだということはわかったけれど。
まったく嫌ではないため、大人しく優翔の隣を歩く。