キミの溺愛は甘すぎる。




その結果、生徒から多くの視線を感じながら国語準備室へと行く羽目になった。


「失礼します」

ノートを提出し終わったあと、ようやく一息つく私。


昼休みであるこの時間に、一階の廊下は人がほとんど通らないため助かった。

多くの視線を向けられるのはあまり好きではない。


「はぁー、優翔って本当に目立つから嫌だ」
「んー、でも鈴華も目立ってるから人のこと言えないよね」

「え、なんでよ」
「鈴華は気づかなくていいよ」


気になるところまで言っておいて、突然濁してくるから嫌いだ。

やっぱり意地悪である。


「何よ、隠し事って…」
「雪夜」

「わっ…びっくりした!」


優翔の反応を不満に思っていたら、近くで名前を呼ばれた気がして。

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