キミの溺愛は甘すぎる。



「何言ってるの?
鈴華は綺麗に決まってるよ」

「嘘つき。さっきは“かわいい”って子供扱いしたくせに」


何よ今更そんなこと言って。
誰が信じるものか。



「それは俺から見たら鈴華はかわいいだけであって、周りはみんな美少女だって騒いでる。

もっとブサイクになればいいのに、静音(しずね)さんと涼雅(りょうが)さんのいいところばかり受け継いで」


「はぁ?絶対嘘!」

「鈴華が気づいていないだけ。
でもどうせなら気づかないままでいて」



そう言ってぎゅっと力強く抱きしめてくるものだから、苦しくて何も言えなくなる。

けれど私が両親のいいところばかり受け継いだなんて、そんなわけがない。



「逆整形してよ。それならみんな、鈴華に興味なくなって俺だけの鈴華になる」

「はぁ?それなら優翔がしなよ」
「どうして?」

「そんなの優翔がかっこいいか、ら……」


やられた。
完全に今、優翔に流された。

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