キミの溺愛は甘すぎる。



「そんなのも知らないの?」
「う、うん…初耳で」


無気力王子って何?
無気力なのに王子様?

うん、まったくわからない。


「よく寝てる、クールなイケメンが一つ上の先輩にいるの!それも女嫌いって噂があって」

「へぇー」

「女と話さないだけであって人気は高いの!
神田みたいに人当たりが良かったらもっとモテるのに」


チラッとみっちゃんが優翔の席に視線を向ける。
仕方なく私も向けると、案の定男女数人に囲まれていて。

平気で触れてくる女子にも、嫌な顔ひとつせず笑顔で返している優翔。


見たくない。
嫌な感情が湧いてくるから。

誰も触れて欲しくないし、女子に笑いかけて欲しくもない。


そんな狭い心の自分も嫌なため、なるべく優翔の席は見ないようにしているのだ。

< 34 / 226 >

この作品をシェア

pagetop