すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「買い物に行くが、何かいる物はあるか?」

「……」

テレビを見ることも出来ず、窓も開けられず、外にも出られない生活を強いられて何日経ったのか。
かなり久しぶりの休みらしい智大がそう聞いてくるのを藍里は無言で見上げた。

「聞いてるのか?何かいる物は……」

「私も……外に出たい……」

家の中で何もせずにずっといるのは苦痛でしかない。
一人で外に出るなと言うなら、怖いけれど智大と一緒ならいいのではないか?そう微かな希望を込めて言うと、智大は少し考えた素振りを見せてから首を横に振った。

「駄目だ。お前は家にいろ」

「……いつになったら出れるの?」

いつもなら智大に却下されればすぐに諦めていたが、この日、藍里はほぼ無意識に会話を繋げていた。

「……いつになるか分からない。だが、暫くは無理だ」

「どうして……どうして理由も教えてもらえないの?」

「今日はやけに突っかかってくるな」

眉を潜めて明らかに機嫌を悪くした様子の智大に恐怖を感じるが、藍里ももう限界だった。

せめて納得できる理由が欲しい。

その思いだけで、いつもは智大が怖くて動かない口が今日ばかりは勝手に動いていた。
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