すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
〈智大side〉
結論として、犯人が逃げた事も藍里を狙っているかもしれない事も何も言えなかった。
不必要に情報を取り込まないよう、テレビや新聞、ネットを禁止したがどこまで言うことを聞いてくれるか分からない。
出歩かないように家にいて戸締まりもするように言ったし、家を突き止められた場合の為に複数の警官が自宅周辺の警護を内密にすることにもなった。
仕事が好きな藍里からそれを取り上げた時の絶望した顔を思い出すと胸が痛むが、なるべく早く逃走した犯人を捕まえて復帰させてやろうと、それだけを考えて智大はその日、深夜遅くに家に帰った。
ここ数日は朝も早ければ帰りも遅い。
目が覚めてる藍里とはもう何日も会ってない。
帰ってすぐキッチンテーブルに置いた藍里に用意した握り飯とサンドイッチの減り具合を確認して、思わず舌打ちしてしまった。
殆んど手付かずと言っていい食事を見てから様子を見るために寝室へ向かうと、藍里は相変わらずベッドの端にいた。
藍里に視線を移すと長い睫毛に光る涙。
小さく丸まって眠る藍里にさらに胸を痛め、涙を拭おうとそっと手を伸ばした。
ーーこのままじゃ遅かれ早かれあいちゃんは壊れるよ。手遅れになる前に誤解を解くんだーー
ふと、あの時の圭介の言葉が蘇り手を止めた。
「……簡単に誤解が解けたら苦労はしない……」
もう何十年も、それこそ藍里と初めて会った時から素直になれず誤解されるような言動をしてきた。
そんな自分が今更何を言っても無駄なんじゃないかと、そう思いながら智大は手を強く握り締めた。
結論として、犯人が逃げた事も藍里を狙っているかもしれない事も何も言えなかった。
不必要に情報を取り込まないよう、テレビや新聞、ネットを禁止したがどこまで言うことを聞いてくれるか分からない。
出歩かないように家にいて戸締まりもするように言ったし、家を突き止められた場合の為に複数の警官が自宅周辺の警護を内密にすることにもなった。
仕事が好きな藍里からそれを取り上げた時の絶望した顔を思い出すと胸が痛むが、なるべく早く逃走した犯人を捕まえて復帰させてやろうと、それだけを考えて智大はその日、深夜遅くに家に帰った。
ここ数日は朝も早ければ帰りも遅い。
目が覚めてる藍里とはもう何日も会ってない。
帰ってすぐキッチンテーブルに置いた藍里に用意した握り飯とサンドイッチの減り具合を確認して、思わず舌打ちしてしまった。
殆んど手付かずと言っていい食事を見てから様子を見るために寝室へ向かうと、藍里は相変わらずベッドの端にいた。
藍里に視線を移すと長い睫毛に光る涙。
小さく丸まって眠る藍里にさらに胸を痛め、涙を拭おうとそっと手を伸ばした。
ーーこのままじゃ遅かれ早かれあいちゃんは壊れるよ。手遅れになる前に誤解を解くんだーー
ふと、あの時の圭介の言葉が蘇り手を止めた。
「……簡単に誤解が解けたら苦労はしない……」
もう何十年も、それこそ藍里と初めて会った時から素直になれず誤解されるような言動をしてきた。
そんな自分が今更何を言っても無駄なんじゃないかと、そう思いながら智大は手を強く握り締めた。