すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「藍里が気に入ったなら良かった」

「うん!連れてきてくれてありがとう。……また来たいなぁ」

「まだ終わってもないのに次のこと話すのか?」

苦笑する智大の正面に立った藍里は智大の両手を取ると、にこっと笑った。

「次のことでも、その次のことでも……もっと未来のことでも話したい。……ずっと智君と一緒にいたいから、たくさんの約束をしたい……我が儘かな?」

話ながら少しずつ眉が下がっていってしまい、どうしても不安な気持ちになってしまっているのが顔に現れてしまう。
智大にそんな顔を見られたくなくて顔を俯かせ、足元で揺らめく模様に視線を移すと、智大がそっと藍里の頬に触れてゆっくりと顔を上げさせられた。

「藍里の願いなら何でも叶えるって言っただろ?そんは願いは我が儘にならないし、俺としては願ってもないことだ」

「ん……」

智大の手に手を添えてそっと頬擦りする。
自分の願いが智大と同じだと言われて、藍里は嬉しくて仕方がなかった。

「ありがとう、智君」

「礼を言うほどじゃないだろ。……次が最後の部屋らしいけど行くか」

「あ……うん……」

楽しかった非日常なこの空間もこれで最後だと思うと、藍里は急に寂しさを感じてしまった。
智大に手を引かれるままゆっくり歩き、藍里は周りの景色をじっと見て目に焼き付けようとした。
< 314 / 420 >

この作品をシェア

pagetop