すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「生むのに二日かかったって聞いた」

「そう、ですね……。私が小さいからどうしても出てきにくかったみたいで……。でも、赤ちゃんが頑張ってくれたんです」

「そう……先輩の隣に立つのに相応しくないって言って悪かったな。俺が思ってたよりも、あんた強かった」

思ってもなかった言葉に、藍里は目を丸くして汐見を見上げた。
汐見は視線を反らして、未だに気まずそうにしている。

ほんの少しだけ悪戯心が沸き上がった藍里は、小さく微笑むと首を傾げた。

「それは……私が主人の隣に立つのに相応しいと認めたってことです?」

「なっ……!自惚れるなよっ!?ほんの少しだけ思っただけだ!!あんたが先輩の隣に立つことを許したつもりはないからな!?」

「私だって、汐見さんに許してもらうつもりはないです。主人が望んでくれる限り、ずっと隣にいますから」

「っ……!!俺、あんた嫌いだっ!!」

「私もです」

くすくす笑いながら藍里が言うと、汐見は顔を真っ赤にして、先輩に迷惑かけるなっ!やら、色々なことを言ってくる。
けれどその言葉は殆どが藍里を認めたことへの照れ隠しであることをこの場にいる全員が分かっているので、誰も汐見を咎めることはない。

その証拠に出産祝いだとみんなが一つずつプレゼントを持ってきてくれた中、汐見は今までのお詫びの品も含めているのか何個も持ってきていたりしていたのだ。

素直でないところはやはり智大と一緒だが、智大より表情豊かで分かりやすい。
藍里が尚もクスクスと笑っていると、赤ちゃんを抱いた智大が近付いてきた。
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