すれ違いお見合い結婚~相手は私を嫌ってるはずの幼馴染みでした~
「か……監禁……」
「違う。警察の俺が犯罪を犯すか」
無意識に呟いてしまった言葉に即座に反応する智大はとても不本意そうだった。
けれど、そう思われても仕方のない指示にとても納得はできなかった。
「緊急事態だ。いいか、とにかく絶対に指示を守れ」
「どう……して……」
先輩も圭介も理由を知っているようだったけど教えてもらえなかった。
後は智大にしか聞くことができず、藍里は震える声で問いかけると、智大は暫く藍里を見下ろし思案していたがやがてぽつりと呟いた。
「……お前には教えられない」
「何で……私のこと、なのに……?」
「教えられない」
「トリマーの仕事は……?」
「暫く行かせられない」
「……や……行きたい……」
ゆるゆると首を振って縋るような思いで智大を見上げる。
訳の分からない指示に加えて生き甲斐とも言える仕事にも行けなくなるのは絶対に嫌だと訴えるが、智大は面倒臭そうに大きく息を吐いた。
「我が儘を言うな」
「……っ……」
「俺は今から仕事に戻るが帰りは遅くなる。簡単な食事は置いておくから腹が減ったら食べろ。
いいか、絶対に外に出るなよ」
早口でそう言うと智大は足早に寝室を出ていった。
そのまま家を出たのであろう、玄関のドアの開閉の音が聞こえてから藍里は唇を噛み締めて右腕を顔の上に乗せた。
「……我が儘じゃ、ない……」
仕事に行きたいと、そう思うのは決して我が儘なんかじゃない、違うはずだ。
そう何度も呟く声はいつしか涙に濡れた声に変わっていった。
「違う。警察の俺が犯罪を犯すか」
無意識に呟いてしまった言葉に即座に反応する智大はとても不本意そうだった。
けれど、そう思われても仕方のない指示にとても納得はできなかった。
「緊急事態だ。いいか、とにかく絶対に指示を守れ」
「どう……して……」
先輩も圭介も理由を知っているようだったけど教えてもらえなかった。
後は智大にしか聞くことができず、藍里は震える声で問いかけると、智大は暫く藍里を見下ろし思案していたがやがてぽつりと呟いた。
「……お前には教えられない」
「何で……私のこと、なのに……?」
「教えられない」
「トリマーの仕事は……?」
「暫く行かせられない」
「……や……行きたい……」
ゆるゆると首を振って縋るような思いで智大を見上げる。
訳の分からない指示に加えて生き甲斐とも言える仕事にも行けなくなるのは絶対に嫌だと訴えるが、智大は面倒臭そうに大きく息を吐いた。
「我が儘を言うな」
「……っ……」
「俺は今から仕事に戻るが帰りは遅くなる。簡単な食事は置いておくから腹が減ったら食べろ。
いいか、絶対に外に出るなよ」
早口でそう言うと智大は足早に寝室を出ていった。
そのまま家を出たのであろう、玄関のドアの開閉の音が聞こえてから藍里は唇を噛み締めて右腕を顔の上に乗せた。
「……我が儘じゃ、ない……」
仕事に行きたいと、そう思うのは決して我が儘なんかじゃない、違うはずだ。
そう何度も呟く声はいつしか涙に濡れた声に変わっていった。