144本のバラの花束を君に
「これがいいと思う」

エリックに選んでもらい、静音はかわいらしいうさぎがついた水色の髪飾りを買ってもらった。こんなこと、今までで初めてのことだ。

静音はどこか普段と違うエリックを不思議に思いながらも、ロンドンでのデートを楽しんでいた。

夕食を食べた後、二人はロンドン・アイという大観覧車に乗って夜景を楽しむことになった。多くの観光客が列を作っているが、一つのカプセルに二十五人が乗れるので比較的早く進むことができる。

カプセルに乗っている三十分など、静音にとってとても短いものだった。まるで宝石箱の中にいるようなきれいな景色に、静音は目を奪われる。

「とてもきれいだろ?」

エリックのささやきに、静音はドキッとしながら「うん!」と頷いた。

エリックがいつもより少し積極的で、静音はいつも以上にドキドキした。



次の日も、朝から二人はいろんな場所を観光する。

バッキンガム宮殿や、ロンドン塔、セント・ポール大聖堂や、シャーロックホームズ博物館にも行った。
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