彼の愛した女(ひと)は?
お互いが産まれたままの姿になり。
直接感じる体温が心地よくて。
柊の吐息が漏れると、静流は幸せを感じた。
「愛しているよ柊。・・・」
「私も愛しています・・・」
感じている目で静流を見つめる柊。
「っ・・・」
心地よい感覚の中、激痛に似た痛みを感じた柊が声を漏らした。
「ごめん、大丈夫? 」
「・・・大丈夫。・・・そのまま・・・来て・・・」
ギュッと静流にしがみつく柊。
激痛に似た痛みはだんだんと、快楽に変わってゆき柊の表情が穏やかになってきた。
お互い1つになると言葉では言い表せない感覚に時間も何もかも忘れるくらいだった。
カーテンから差し込んでくる光で、うとうとと静流は目を覚ました。
部屋の中を見て、昨夜、柊の部屋に来た事を想いだした。
そして・・・
腕の中でスヤスヤと眠っている柊を見て、昨晩の出来事は夢ではなかったと実感した。
あのまま、パジャマを着る事も忘れてしまって抱き合ったまま眠ってしまった。
朝起きて。
こうして心から愛している人の寝顔を見る事が、こんなにも嬉しくて幸せな気持ちなる事を静流は初めて知った。
結婚の約束をしていた零とは、体の関係はあっても、朝まで一緒にいたことはなかった。
それはまだ静流が学生だったこともあった。
でも今は・・・
こうして一緒に朝を迎えられる。
この幸せを絶対に手放さないと静流は誓った。
柊の寝顔に見惚れていると。
うつらうつらと、柊が目を覚ました。
「おはよう」
静流が声をかけると、柊はパチっと目を開いた。
目の前に起きたばかりの静流が居る。
しかも裸で。
それを見ると、柊は恥ずかしくなり赤くなった。