クールな専務は凄腕パティシエールを陥落する
「愛菓さん、お食事はお済みですか?」

「ええ、就業後に、軽くコンビニでサンドイッチを購入してつまんできました」

「そうですか。当ホテルのフレンチレストランでディナーをご馳走しようかと考えていたのですが・・」

「お気遣いなく。いつも夕飯はコンビニ食で済ませておりますので」

昼間は甘い言葉を囁いていたように見えた樫原だったが、スイーツを介さないと、そのクールさを増す愛菓と同じくらい、クールで隙がないため、そのやり取りを見ている周囲は冷え冷えしていた。

「わかりました。では、早速、ご案内致します」

そう言って、樫原は、愛菓を目的地に案内するため、フロアの奥を目指した。
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