白と黒ゲーム
私は今の状況をようやく理解し、急に恥ずかしくなった。純以上に顔を真っ赤に赤くし、手に自然と汗が滲み出る。
ぜ、全然意識してなかった...い、いいいま私、純と....て、ててててて...手を...
心の中で想像以上に動揺してしまい、逃げ道を作ろうと慌てて何か気を紛らわすアイテムがあるか見回した。
「あ、あ!じゅ...純!あれ地図じゃない!」
私は手を離してすぐに階段手前にある施設内の地図へ向かった。純は照れくさそうにゆっくり歩いてきて地図を見た。
私は身体に溢れる熱を感じながら地図を見るが、動揺のしすぎなのか目の焦点が合わず、字が頭に入ってこなかった。
「...ここ降りてすぐにあるな。平気だと思うけど、折角だから行くか。」
「あ、うん。」
私達は先程のことがあったからなのか、一定の距離を離して一緒に階段を下り、すぐ傍にあった保健室へ入った。
そこで私達はほぼ同じタイミングで足を止め、目を丸くした。
「ここ....学校の保健室にまるっきり似てる...」
「ちっ...どこまでも癇に障るけど、同じなら何処に何があるか分かりやすい。湿布とかでいいだろ?」
「だ、ダメだよ。しっかり氷袋で冷やさないと。湿布はある程度治ってからじゃないと...」