白と黒ゲーム


ここで声を上げたのは立飛だった。鋭い威圧的な眼光を光らせながら、真との間合いを徐々に詰めていく。



「お前こんな非常識なのによく頭が回るっぽいじゃねぇか。冷静で怯えなんて全くない。昨日も山田に気だるそうに質問してたよなぁ?あんな状況で良くあんな態度できたもんだな?」


周りがザワめき始め、真が黒なんじゃないかと全員が疑いの目をかける。だが、当の本人はその目線も立飛にも怯むことなくジッと見つめていた。


「いつもクラスの隅で影細く生きてただけの陰キャが妙にイキイキしてんじゃねぇのか。このゲームが楽しいのか?あ?」


「.......純のサポートかい?だったら純と繋が」


「いい加減なこと言って話変えようとすんじゃねぇぞてめぇ。さっさと聞かれたことに答えろや。」


立飛の鋭い眼光に対して真は鼻で笑った。立飛はピクっと眉を動かす。


「ふふふっ...正直ワクワクしてるよ。こんなデスゲーム、映画とかゲームでしか見たことない。自分の命を守る為、そしてこのゲームを乗り切りたくて仕方が無いんだ。」


「あ?いかれてんのか?てめぇ」


「寧ろ冷静だよ僕は。自分の感情含めて物事しっかり整理しないと死ぬんだよ?いくらゲームが有利とはいえ、自分が死なない保証はないからね。怯えて助かるなら喜んで怯えるよ。」
< 49 / 205 >

この作品をシェア

pagetop