白と黒ゲーム

真はニヤッと笑い、立飛と向かい合った。普段では見ることは無い光景、立飛はこのクラスの中で最も不良というジャンルに近しい存在。それに対して真は誰とも打ち解けずにいるいじめられっ子のような存在。

そんな本来なら完璧な上下関係があってもおかしくない二人が同じ目線で意見を交わしていた。


「...僕にあんまり攻撃しない方がいいよ?皆が納得するような口論で君を処刑台へ登らすことだって出来るんだよ?この状況だとね。」


真の挑発に対して立飛は目をカッと見開いた後、拳を真の頬にめり込ませた。
真は右斜めへ大きく飛び、固定されている白い机に肩をぶつけ悶絶していた。


「本当にムカつくなてめぇ.......いつもとの変貌ぶりからして山田の内通者だろ?てめぇ...ぶち殺してやるよ!!!」


立飛は大股で真に近付き、痛みで歪んでいるその顔に向けて更なる追撃を行おうとした。
だが、すんでのところで二人の人物が立飛を抑えた。

伊崎 飛丸と渡木 蓮だった。この二人は立飛とよく絡んでいて、クラスの中でも目立つ存在だった。


「お、おい!お前ら!邪魔すんなよ!!こいつマジでうぜぇ!!こいつが黒に決まってんだろうがよ!!」
< 50 / 205 >

この作品をシェア

pagetop