欠けてるあなたが大好きです。
「手際いいですね。」
気づけばカウンター席から
ショウキさんがこちらを見ていた。
「料理、大好きなので…。」
「うらやましいです。」
いつも通りの爽やかな笑顔。
感情がないって、好きも嫌いもないのかな。
ふと疑問に思ったけど、
パスタが完成してそれどころではなくなった。
ナポリタン4つとミートソース3つ。
「カルボナーラ?は作ってないの?」
彩陽さんが聞いてくる。
「彩陽さん、チーズ苦手なら
カルボナーラのにおいも苦手かなって思って…。」
「何この子っ!やっぱり天使!
うちの子にする〜♪」
きらっきらの瞳で満面の笑み。
そういえば彩陽さんも
サイコって言ってたよね…?
この笑顔の裏には感情がないってこと?
こんなにいい笑顔なのに…。
カウンター席にいたショウキさんに
手伝ってもらいながらパスタを席に運ぶ。
「諒くんミートソースとナポリタン、
どっちがいい?」
「…ミートソース。」
「はい、どうぞ〜。」
なんかフウくんがお客さんになったみたいで
ちょっとおもしろい。
いっつもわたしがお客さんだったのに。
わたしは諒くんが選ばなかった
ナポリタンを食べることにした。
「いただきまーす。」
各々が自分のタイミングで食べ始める。
「咲雪ちゃんマジでうちの子になろっ!」
ナポリタンを一口食べた彩陽さんが叫んでいる。
「彩陽うっさい。」
「何さ!
津々留は咲雪ちゃん子どもにしたくないの!」
「いや咲雪ちゃんみたいないい子だったら
そりゃ嬉しいけどさ。
オレ、彩陽の世話で手一杯だから。」
「…もしかしてお2人って夫婦ですか?」
「「そだよー。」」
つづるさんと彩陽さんがハモる。
花里って同じ名字だな、とは思ったけど
夫婦だったんだ。
でもサイコパスである彩陽さんが
結婚してるってことは、
"好き"はあるってことだな。