欠けてるあなたが大好きです。

「咲雪。オレのは?」


無表情の諒くんが聞いてくる。


諒くんの周りにいる朔くんや紫翠くんは

既にケーキをおいしそうに食べていた。



「リョウのだけないとかマジで最高!

 中園っちナイス!」



「…サルのくせに。」


「へっへ〜ん!

 サルでももらえるんだから

 リョウはなんだろーなぁ!」


朔くん、サルって認めてますけどいいんでしょうか。


いつも全力で否定してるのに…。




「諒くんのは、これ。」


袋の1番下に入れていた

大きくはない箱を取り出して渡す。



「うわぁ…。リョウだけひいきだ…。」


「別にいいじゃん。

 カレカノなんだし普通っしょー!」


朔くんや琉奈ちゃんが

ガヤガヤ言っているけど気にしない。


「なに?これ。」


「あけてみて。」


差し入れのケーキを食べているクラスメイトみんなが

諒くんの手元に注目している。



そんなに大層なものじゃないんだけどなぁ…。





「うわ。めちゃくちゃうまそう。」


中を見た諒くんが漏らした声をきっかけに、

みんなが箱の中を覗き込む。



中には3つの丸い小さめのケーキが。


味はみんなにあげたのと同じだけど、

形とデコレーションが違うんだ。



我ながら上手くデコレーションできた。


お店に並んでても違和感ないくらい!




…食べたらおいしさの違いでバレるだろうけど。



「みんなのと味、というか素材?は一緒だよ。

 デコレーション頑張ってみました。」


はにかみながら言うと、

諒くんは優しい笑みを見せてくれた。






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