欠けてるあなたが大好きです。
「ごちそうさまでした。」
相変わらず諒くんの方が食べ終わるのが早く、
待っててもらう形になっていた。
「次どこ行く?」
「うーん…。もう行きたかったとこ
全部まわっちゃったんだよね…。
諒くんは?行きたいとこある?」
「んー、ねぇな。」
「どうしよっか。」
「ま、こーゆー時はあれだな。」
そう言いながらパンケーキがのっていたお皿を持って
厨房スペースに向かう。
「オレらも手伝うわー。」
あ、なるほど。その手があった。
「厨房とフロア、どっちのが大変?」
「厨房はこれ以上入られると狭いから
接客行ってほしいー。」
「了解!」
厨房スペースからお店スペースに向かって笑顔で言う。
「接客入ります!よろしくお願いします。」
「同じく接客入るっす。よろしくー。」
あれ?
なんか店内にいたお客さんが
急に騒がしくなった気がする。
やっぱり王子様諒くんがかっこよすぎるからかな?
「さゆは廊下でお客さん入れる係してくんない?」
「おっけー!」
琉奈ちゃんに言われて廊下に出る。
朝持ってた猫型の看板を持って宣伝しながら
席が空いたら並んでるお客さんを中に入れる。