初恋



授業中も何度も背中をツンツンされて、振り返ると、変な絵を見せてきたり、先生のモノマネをしたり、何かと笑わせてくれた。

私が笑うたびにニカッと歯を出して笑う慎吾くんにドキッとした。


慎吾くんのおかげで、昼休みまであっという間だった。

でも、昼休みになってトイレから戻ると、慎吾くんの周りには人がたくさん集まっていた。


美紅『慎吾くん!私みく!よろしくね!』

慎吾『おう!』

秀一『俺秀一!』

健太『おれ健太〜』


席戻りにくいな〜...って思って突っ立っていると慎吾くんと目が合った。


慎吾『真琴!座れよ!』

真琴「あ、うん!」


慎吾くんのおかげで席に戻ることができた。

でも、後ろを向くことはできない。


美紅『慎吾くん、真琴ちゃんとは仲良くしない方がいいよ〜』

愛梨『そうだよ〜』

慎吾『なんで?』

菜々『真琴ちゃんは彼氏がいるから〜(笑)』

慎吾『彼氏?』

真琴「ちがっ...!」


慌てて振り返ると美紅ちゃんたちが私をすごい目で睨んでいて、そのまま何も言えずに前を向いた。


< 15 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop