初恋
授業中も何度も背中をツンツンされて、振り返ると、変な絵を見せてきたり、先生のモノマネをしたり、何かと笑わせてくれた。
私が笑うたびにニカッと歯を出して笑う慎吾くんにドキッとした。
慎吾くんのおかげで、昼休みまであっという間だった。
でも、昼休みになってトイレから戻ると、慎吾くんの周りには人がたくさん集まっていた。
美紅『慎吾くん!私みく!よろしくね!』
慎吾『おう!』
秀一『俺秀一!』
健太『おれ健太〜』
席戻りにくいな〜...って思って突っ立っていると慎吾くんと目が合った。
慎吾『真琴!座れよ!』
真琴「あ、うん!」
慎吾くんのおかげで席に戻ることができた。
でも、後ろを向くことはできない。
美紅『慎吾くん、真琴ちゃんとは仲良くしない方がいいよ〜』
愛梨『そうだよ〜』
慎吾『なんで?』
菜々『真琴ちゃんは彼氏がいるから〜(笑)』
慎吾『彼氏?』
真琴「ちがっ...!」
慌てて振り返ると美紅ちゃんたちが私をすごい目で睨んでいて、そのまま何も言えずに前を向いた。