初恋
春休みが明けて、今日から3年生。
いつもの待ち合わせの場所に行っても、さつきちゃんは来なかった。
ギリギリまで待ったけど、風邪かな...とか思いながら、学校へ行った。
教室に入ると、さつきちゃんはもう教室にいた。
真琴「さつきちゃん!おはよー!」
咲月『...』
聞こえなかったのかな、と思い、もう一度挨拶してみたけど、無視された。
明らかにさつきちゃんの様子がおかしかった。
美紅『真琴ちゃん』
真琴「おはよ、どうしたの?」
美紅『真琴ちゃんさ、咲月ちゃんが亮太くんのこと好きって知ってたんだよね?』
真琴「え?うん」
美紅『一番の友だちだったんじゃないの?』
真琴「そうだよ?」
美紅『亮太くんに告白されたらしいじゃん』
真琴「え、なんで」
美紅『みんな知ってるんだからね』
教室を見渡すと俯いてる咲月以外の女子がみんな私を睨んでいたことに気付いた。
真琴「さつきちゃんも知ってるの?」
美紅『当たり前じゃん』
美紅ちゃんは私の机を足でドンと蹴飛ばしてさつきちゃんのところへ戻って行った。