同じ人を好きになるなんて

数日が経ち

こっちの家での荷造りはほぼ終わり、2日後には凛子さんがもともと住んでいたマンションの荷造りも終わった。

そして出発の2日前の今日はりっくんの最後の登園日となった。

「いってきまーす」

どうしても今日の送り迎えは私といきたいといってくれた。

りっくんにとっても私にとっても最後の登園。

最初はいきなり母親役を頼まれてかなり戸惑った。中でも陸斗の奥さんと言う設定でママさんたちから鋭い視線を浴びた記憶は新しい。

だけどこれが最後となると感慨深いものがある。

「ねえまゆりお姉ちゃん」

りっくんが急に足を止めた。

「どうしたの?」

りっくんは急に黙りこくってしまった。

< 189 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop