同じ人を好きになるなんて
軽く会釈すると陸斗が笑顔で「いってらっしゃい」と見送ってくれた。
私はふと付き合っていた時のことを思い出してしまった。
私の方が早く家を出る時、陸斗は必ず玄関まで来て「行ってらっしゃい」と言ってれた。
一人暮らしで少し心細かった私は誰かに見送られることが嬉しかった。
でもまさか五年前に別れた元彼に再び見送られるとは……だがそれ以上にそんな元彼の元で働いている私の方がおかしいのかも……
「ねえお姉ちゃん」
「何?」
「僕のことはりっくんでいいよ。みんなそう呼んでるから」
「じゃあ、りっくん。よろしくね」
「うん!」
手を繋いで保育園の門をくぐる。
すると突然ただならぬ空気が私を襲った。
お母さん方が私とりっくんを交互に見て目を丸くしていたり、お母さん同士が私を怪訝そうに見ている。
昨日も同じような反応だったからある程度覚悟はしていたが、予想以上の反応にたじろいでしまう。
すると園庭で遊んでいるりっくんのお友達が近づいてきた。
「りっくんおはよう」
「おはよ〜あけちゃん」
「ね〜ね〜今日、陸パパじゃないの?」
陸斗は園児にも人気のようだ。
私はふと付き合っていた時のことを思い出してしまった。
私の方が早く家を出る時、陸斗は必ず玄関まで来て「行ってらっしゃい」と言ってれた。
一人暮らしで少し心細かった私は誰かに見送られることが嬉しかった。
でもまさか五年前に別れた元彼に再び見送られるとは……だがそれ以上にそんな元彼の元で働いている私の方がおかしいのかも……
「ねえお姉ちゃん」
「何?」
「僕のことはりっくんでいいよ。みんなそう呼んでるから」
「じゃあ、りっくん。よろしくね」
「うん!」
手を繋いで保育園の門をくぐる。
すると突然ただならぬ空気が私を襲った。
お母さん方が私とりっくんを交互に見て目を丸くしていたり、お母さん同士が私を怪訝そうに見ている。
昨日も同じような反応だったからある程度覚悟はしていたが、予想以上の反応にたじろいでしまう。
すると園庭で遊んでいるりっくんのお友達が近づいてきた。
「りっくんおはよう」
「おはよ〜あけちゃん」
「ね〜ね〜今日、陸パパじゃないの?」
陸斗は園児にも人気のようだ。