俺の、となりにいろ。

その時、この備品室にもう一人いることがわかった。

「…はい。四階の備品室です。宜しくお願いします」
と、声が聞こえた。

この声は。

「紺野主任、桐谷専務と総務の山城部長を呼んだよ」
姿を見せたのは、やはり藤川課長だった。彼はジャケットの内ポケットにスマホを収めると、私に近づいて腰を屈めた。
「松坂さん、ケガはないですか」
「…はい。ありがとうございます」
しっかりと声にしたいのに、掠れてガラガラだ。

間もなく、慌ただしくやってくる複数の足音が聞こえてきた。

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