クールな騎士団長はママと赤ちゃんを一途に溺愛する
「エルドラ王女自らリカルド様を好きだと言ってたんですよ?」
リカルドは不快そうに顔をしかめ、溜息を吐いた。
「ただの嫌がらせだ。自分が政略結婚するのに、俺は恋愛結婚をして幸せそうにしてるのが不満だったのだろう。あいつはそういう性格だ。長く離宮に居たのも実は病弱だからではなくひねくれた性格の矯正だったんだ。あのままではどこに嫁いでも問題を起こす。今は大分ましになったと聞いていたが、まだまだのようだな」
リカルドはぶつぶつと呟いていたが、後半はリアナの耳に殆ど届かなかった。なぜならそれどころでは無かったからだ。
「待って! リカルド様今、恋愛結婚って」
「そうだが」
リカルドは首を傾げる。
「え? でも私達の結婚は王命によるものですよね?」
「リアナにとってはそうだろうが、俺にとっては違う。トレド前騎士団長が健在の頃、初めてリアナに会い一目で心を奪われたのだから」
「心を?」
ドクンドクンと心臓が騒ぐ。
(これは夢なの? 信じられない……でも、もし本当だったら)
「リカルド様は私を好きでいてくれているの?」
「ああ、愛している。誰よりも強く君だけを。他の女なんて目に入らない程心を捕らわれている」
「う、うそ……」
茫然とするリアナに、リカルドはどこか切なそうな顔をした。
「リアナの気持ちが俺にないことは分かっている。それでもどうしても手放せなかった」
「え? 私の気持ちがないって……」
「リアナはバリー・アリソンが好きなのだろう? 彼と結婚するつもりだったのだから」
今度はリアナが愕然とした。
リカルドは不快そうに顔をしかめ、溜息を吐いた。
「ただの嫌がらせだ。自分が政略結婚するのに、俺は恋愛結婚をして幸せそうにしてるのが不満だったのだろう。あいつはそういう性格だ。長く離宮に居たのも実は病弱だからではなくひねくれた性格の矯正だったんだ。あのままではどこに嫁いでも問題を起こす。今は大分ましになったと聞いていたが、まだまだのようだな」
リカルドはぶつぶつと呟いていたが、後半はリアナの耳に殆ど届かなかった。なぜならそれどころでは無かったからだ。
「待って! リカルド様今、恋愛結婚って」
「そうだが」
リカルドは首を傾げる。
「え? でも私達の結婚は王命によるものですよね?」
「リアナにとってはそうだろうが、俺にとっては違う。トレド前騎士団長が健在の頃、初めてリアナに会い一目で心を奪われたのだから」
「心を?」
ドクンドクンと心臓が騒ぐ。
(これは夢なの? 信じられない……でも、もし本当だったら)
「リカルド様は私を好きでいてくれているの?」
「ああ、愛している。誰よりも強く君だけを。他の女なんて目に入らない程心を捕らわれている」
「う、うそ……」
茫然とするリアナに、リカルドはどこか切なそうな顔をした。
「リアナの気持ちが俺にないことは分かっている。それでもどうしても手放せなかった」
「え? 私の気持ちがないって……」
「リアナはバリー・アリソンが好きなのだろう? 彼と結婚するつもりだったのだから」
今度はリアナが愕然とした。