クールな騎士団長はママと赤ちゃんを一途に溺愛する
「俺にはリアナしかない。他の女に関心はない」

「はい。でも私知らなくて、勝手に誤解してたの」

じわりと涙が滲んで行く。気持ちを伝えたことで心が解放された気持ちになった。

「もう誤解させないから」

リカルドはそう囁くと、リアナを更に抱き寄せ、口づけた。

口付けは一度では終わらず、愛しさを表すように頬、瞼に耳元に繰り返される。

その度に「愛している」と囁かれ、リアナの頭にぼんやりと靄がかかる。

ただ喜びと幸せだけを感じている。

「リカルド様……好き……」

心からの気持ちを呟けば、奪うように激しく口づけられた。

これまでにないほど執拗に貪られ、息も出来なくなる。

「俺にはリアナだけだ。ずっとこうして触れたかった」

視界が定まらず、身体からはすっかり力が抜け落ちていた。

初めて知る夫の情熱に翻弄され、気が遠くなる。

医師が到着したとの知らせが来るまで、リカルドの手がリアナを話離すことは無かった。

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