クールな騎士団長はママと赤ちゃんを一途に溺愛する
その夜リアナは珍しく熱を出した。

あらゆる面での刺激が強く、頭もぼんやりとしたままだったので大人しくベッドで眠っていた。

その間リカルドはずっと付き添い、献身的に看病をしてくれていた。

「すまない、タガがはずれて無理をさせてしまった」

「大丈夫です。少し驚いたけど」

「でも熱が出てしまった」

「直ぐに下がります。そうしたらまたキスして欲しい」

恥ずかしかったけれど想いを伝えたかった。

リカルドの顔が赤く染まる。

「そんな目をするな。煽るようことも言わないでくれ……病人相手に抑えが利かなくなる」

屈強な騎士団長が照れている姿が愛おしくて、リアナはくすくすと笑った。

「なぜ笑うんだ」

「だってリカルド様が可愛く見えて」

「可愛い?」

「はい、可愛いです」

リカルドはむっとした様に眉を寄せる。どうやら可愛いは禁句のようだ。

キスで口を塞がれた。

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