クールな騎士団長はママと赤ちゃんを一途に溺愛する
「ねえリカルド。私を襲った男建ちはフォルセアの者じゃなかったそうね」

「ああ。フォルセアのふりをした国内貴族だ」

「国内貴族? どうしてあんな所に?」

エルドラが怪訝そうにつぶやく。

「それはこちらの台詞だ。なぜあの森に居たんだ? おかげで計画が狂いリアナを巻き込むことになった、反省はしていないのか?」

「仕方ないでしょう? 直ぐに戻るつもりだったけどリアナがなかなか見つからなかったのだから」

「なぜリアナを捜していたんだ」

「それは、ちょっと言いすぎちゃったかと思って」

リアナは意外な気持ちでエルドラの話を聞いていた。
あの時探していたのはリアナだったのだ。もしかしたら言い過ぎたことのフォローに来たのかもしれない。


「だからと言って護衛も連れずに出歩くのは有り得ない。

「でも仕方ないでしょ。もう過ぎたことなんだし」

「なぜ開き直れのか分からないが、とにかく今後は勝手な行動は控えるんだ。嫁ぐ日までまだ油断が出来ないんだからな。今回襲われた理由もエルドラの結婚に反対してのことだ」

「あら、だったら攫われた方が良かったかも。別に結婚なんてしたくないし」

エルドラ王女の気楽な言葉に、リカルドの眉間のシワは深くなった。

「いい加減考えなし発言はよせ。反対派は君をフォルセアに嫁がせようとしていたんだぞ?」

「え?」

黙って会話を見守っていたリアナだが、これには驚き声を上げてしまった。

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