エリート外科医といいなり婚前同居

しかし、なんで急に穴があきそうなほど見つめてくるの……?

イケメン、というかそもそも男性から見つめられる経験が初めての私は、ついどぎまぎしてしまってパッと視線をそらした。

そのうち、ソファから立ち上がった暁さんがこちらに歩み寄ってきて、私の目の前で立ち止まる。

「千波さん」

「は、はい」

ハスキーボイスに初めて名前を呼ばれ、おずおず暁さんに視線を戻す。

彼はとても背が高くて、黒のVネックニットにチノパンというラフな服装なのに、モデルのようにサマになっている。

その完璧なスタイルについ視線を奪われていると、彼が唐突に言った。

「家政婦の仕事、さっそく明日からお願いできる?」

「えっ……?」

私は一瞬戸惑って、間抜けな声を出した。

だって、私がここへ来てからずっとそっけなかった彼の態度から、本気で家政婦を雇う気があるのか疑問だったんだもの。

「あれ? そのために来てくれたんだよね?」

でも、不思議そうに首を傾げる暁さんを見ていたら、すぐに我に返ってぺこぺこ頭を下げた。

「あ、はいっ! そうなんですけど、ご希望の時間帯とか、お給料の話とかを先に伺えたらと……」

私の言葉に、暁さんはほっそり尖った顎に手を当てて思案し始める。


< 11 / 233 >

この作品をシェア

pagetop