エリート外科医といいなり婚前同居
そんな、過酷ともいえる仕事に真摯に向き合う暁さんは、きっと素晴らしいなお医者様なのだろう。
そんな彼が仕事でベストを尽くせるよう、家政婦として陰ながら支える……。思っていたよりもやりがいのある仕事かもしれない。
「あの、やります! 私」
しばらく悩んだのち、私は覚悟を決めて、宣言した。
住み込みの件は、一度父に相談しなきゃとは思うけど、そもそも暁さんを紹介してくれたのは父だ。彼のことを信頼しているようだったし、そこまで反対されないだろう。
「ありがとう。じゃ、ここの鍵を渡しておかないとな」
暁さんは柔らかく微笑んで言うと、私の元を離れて壁際の棚を物色し始める。しかし、そこにも物があふれていて、簡単に見つかりそうもない。
髪にくしゃっと手を差し入れてため息をこぼした暁さんは、こちらを振り向いてばつが悪そうに笑った。
「千波さん。初仕事、お願いしていい?」
その姿がなんだか可愛らしくて、母性本能をくすぐられるような気がした。
……暁さんって、イケメンだけど親しみやすくて、なんだか面白い人かも。
「もちろんです。一緒にお探ししますね」
着ていたニットの袖をまくり、彼と一緒に棚の上や引き出しをひっくり返して、小さな鍵を探し始める。