エリート外科医といいなり婚前同居

お父さんの言った通り、私は二人の結婚には賛成だし、応援したい。

白石さんが私の気持ちを(おもんばか)って遠慮しているのだとしたら、その必要はないって伝えなきゃ。

「――ただいま!」

私は明るく言いながら、思い切ってガチャっとドアを開けた。

ダイニングテーブルで向かい合っていた父と白石さんが、そろって目を見開く。

「おかえり、早かったな」

父はいつも通りにそう言ってくれるけど、白石さんの瞳には〝今の話を聞かれていなかっただろうか〟というような、不安げな色が浮かんでいた。

「白石さん、こんばんは」

「ええ、こんばんは……私、もう失礼しますね?」

居たたまれなさに耐えられなくなったのだろう。

白石さんはぎこちない笑みで腰を上げ、私の横を通り過ぎてリビングを出て行く。私はとっさに、その背中を呼び止めた。

「あの!」

びくっと肩を震わせ、こわごわといった感じに振り返った白石さん。

私はそんな彼女を安心させるべく、にっこり微笑んでこう言った。

「これからも、父のこと……よろしくお願いします!」

すると白石さんは、複雑な表情で私に歩み寄ってきた。



< 18 / 233 >

この作品をシェア

pagetop