エリート外科医といいなり婚前同居
え……? ダメってなんで……?
私と礼央さんが顔を見合わせ、困惑していたその時だった。
「なーんてな。昭和のカミナリ親父、一回やってみたかったんだ」
父がふざけた調子で言い、ぺろっと舌を出した。
そういえば、しばらく会わないから忘れていたけど、父ってばこういう人ふざけた性格だった……!
「……も~~! ハラハラしちゃったじゃない!」
「ごめんごめん。暁少年のことは、文字通り少年の頃から信頼しているから、うちの娘でよかったら持ってけドロボーって感じだよ」
「持ってけドロボーって、それはそれでひどいし!」
そんなふうに私と父が親子喧嘩を繰り広げる様子を、他の三人がくすくす笑う。
そのほんわか和やかなムードは、なかなか悪くなかった。
家族って、たくさんいるとこんな感じなのかな。私、ずっと憧れていたんだ。笑い声のあふれるこんなあったかい家庭に――。
*
その日は実家に泊まらせてもらい、翌日は昼食をみんなで食べてから、私と礼央さんは実家をおいとました。
マンションに帰りつき荷物を片付けると、リビングのソファにふたり並んで座りひと息つく。