エリート外科医といいなり婚前同居

「静かですね、ふたりだと」

「実家はにぎやかだったもんな」

「はい。……でも、これから私も礼央さんと明るくてにぎやかな家庭を築きたいです」

実家に帰って父や白石さん、拓斗くん、礼央さんと過ごしたあの時思ったんだ。

ただ漠然と、家族がたくさんいるといいなぁ、楽しそうだなぁって。安易な感覚かもしれないけど、子どももたくさん欲しいなって思った。

「……それ、わかるな。俺もひとりっ子で両親忙しかったからさ。家にもう一人くらい誰かがいてくれたらなって思うこともあったし」

「よかった。じゃあ、夫婦の意見は一致してますね」

そう言って礼央さんに微笑みかけると、彼が無言で私をじっと見つめてくるので、私は首を傾げて固まる。今私、なにか引っかかるようなこと言ったっけ。

「あ、夫婦って……気が早いですよね、すみません」

「……いや、そこじゃなくて」

礼央さんは言いながら、膝の上に置かれていた私の手を優しく握るとこう言った。

「千波の風邪はとっくに治ってる。紺野先生への挨拶も済ませた。おまけに、ふたりとも子どもが欲しい。……もう、我慢する理由なにもないよな?」



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